1.高度人材とは

「高度人材」と呼ばれている人々は、在留資格上いわゆる「専門的・技術的分野」に相当する仕事をしている外国人を指します。この「専門的・技術的分野」に該当する在留資格の中で最も多いものが「技術・人文知識・国際業務」です。
(出典 2019年経済産業省 貿易経済協力局 「高度外国人材の採用・定着・活躍促進に向けて」)

(各在留資格の詳細は、法務省出入国在留管理庁のHPでご確認ください)
http://www.immi-moj.go.jp/tetuduki/kanri/qaq5.html

高度外国人材を採用することで様々なメリットがもたらされますが、「なぜ高度外国人材を採用するのか」、その目的を考えた上で採用活動を進めていきましょう。

~ 高度外国人材採用・活用のメリット例 ~

●事業の海外展開
●外国人目線での新規事業立ち上げ、商品開発、サービス展開
●海外対応の窓口
●グローバル化に向けた社員の意識改革
●人材不足の解消

2.採用にあたっての検討項目

(1)求める「出身国」、「言語」、「スキル」、「専門性」を明確にする

日本では「総合職」など職種を限定せずに人材を採用するケースが多くありますが、外国人は自身の専門性を活かせる職種を重視する傾向にあります。また、入社後も自分の役割がはっきりしない、また将来像が描けないということが早期離職の大きな要因となっています。そのため、外国人の採用を検討する際は本人の役割・業務内容(ジョブディスクリプション)、活躍してもらいたい将来像(キャリアパス)をはっきりさせたうえで募集~採用に臨むことが重要になります。

(2)求める「日本語能力」のレベル

日本語を学ぶ優秀な外国人は多くいますが、優秀なスキルを持っていても日本語能力がそこまで高くないという理由で日本企業への就職を断念せざるを得ない、また企業側としても日本語能力だけを重視しすぎて優秀な人材を逃すというケースが多く発生しています。そのため、最低限業務上必要な日本語能力はどのレベルか、業務開始後にその日本語能力は補えないか等判断し、募集時にどの程度の日本語力を求めるかということを明確にすることが重要です。

*参考情報* ~日本語能力の測り方~

日本語能力をはかる基準の1つとして、日本語能力試験(JLPT)があります。N1~N5までのレベルがあり、どのレベルまで取得しているかを見ることは1つの判断材料となりますが、最後はきちんとコミュニケーションを取って、本人の日本語能力を確認するようにしましょう。
(N1~N5の認定の目安:https://www.jlpt.jp/about/levelsummary.html

(3)業務と在留資格の関連性

高度人材は、「専門的・技術的分野」の在留資格で就業する外国人になるので、従事する業務内容によっては在留資格が取得できないケースがあります。例えば、工場での作業、客室の清掃のような現場作業に従事するといった場合には「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は許可されません。ただ、入社後研修で一時的に現場業務が発生するといった場合には具体的な研修計画を提出することによって「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得できる可能性もあります。(日本人も同様な研修を行っていることや、今後「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務を行う上で必ず必要になるものという説明が必要になります。)

なお、2019年5月以降「特定活動46号」という在留資格ができております。この在留資格の場合、技術・人文知識・国際業務と異なり、現場業務も一部可能となります。

具体的な条件は下記のサイトをご参照ください。
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00208.html

(4)外国人採用候補者の経歴と在留資格の関連性

在留資格取得の上では、下記の4点に分けて条件が合致するか考える必要があります。

  • 大学を卒業し、学位を有している者
    →採用対象本人の従事する業務と専攻が一致していることまでは必要ではなく、関連していればよいとされています。
  • 日本の専修学校を卒業し、専門士を有している者
    →採用対象本人の従事する業務と専攻が一致する必要があります。
  • 学歴が無い場合
    →採用対象本人の従事する業務と職歴(10年or3年)が一致する必要があります。
  • 学位が無く、日本の専門士も有しておらず、職歴も無いが、下記サイトのITの資格を有している者
    →IT資格に応じた業務が可能。

    http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyukan_hourei_h09.html

上記の確認を怠ると、在留資格が取得できず就労できないという事態も起こります。募集段階で業務を明確にして、採用時には在留資格の要件に該当する人物を採用しなければなりません。

(例)経済学部卒業の外国人が、機械設計のエンジニアリング業務に従事する
→ 経済学部でありながら機械設計に関連する科目を取得している場合には、在留資格取得の可能性はありますが、通常そのような科目を取得している者は少なく、在留資格が取得できない可能性が高いです。(ただし、従事する業務に対して既に10年以上の実務経験がある場合は可)

(5)社内での受入体制の準備

住宅の確保などハード面での受入準備も大切ですが、宗教や異文化への理解、外国人の採用目的・役割等の社内共有というソフト面での受入体制の整備は、外国人が入社して気持ちよく業務をスタートするために必要な環境作りとなります。外国人が入社した後ではなく、入社前に社内の受入体制を準備して、関係者が同じ認識を持って外国人を迎えられるようにしましょう。

3.求人活動の方法

外国人の求人方法は色々とありますが、日本人に合わせた発信だけでは情報が届きません。外国人採用を行っている企業として認知度をあげるために、外国人向けの募集媒体の活用や就職説明会に参加することが重要です。また、自社のホームページにおいて企業概要を英語でも閲覧できるようにすることも有効です。

(1)無料での求人

①学校の就職窓口(キャリアセンター)への求人登録、学校が主催する就職説明会への参加

教育機関のホームページ等から留学生の在籍情報を収集し、戦略的に求人情報を掲載・発信していくことが重要です。

②ハローワークへの登録

東京・名古屋・大阪を拠点に留学生に対し就職に向けた各種情報を提供しています。
大阪外国人雇用サービスセンター:https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-foreigner/

③留学生就職支援ネットワークへの登録

一般社団法人留学生支援ネットワークが運営する、全国の主要約100大学が公式に利用している留学生に特化した求人情報提供ポータルサイトです。企業は無料で求人情報の掲載が可能です。
https://ajinzai-sc.jp/

④公的機関が実施する外国人向けの企業説明会への参加

神戸市や他の公的機関が外国人に特化した企業説明会や合同面接会等のジョブフェアを開催しています。こうした採用に直結するイベントへの参加は外国人の採用を行う際に有効な手段となります。
※参加には費用がかかる場合もありますので、予めご確認ください。

⑤自社のホームページやSNSでの求人

外国人の多くは外国人採用を実施している企業を探し、その企業の採用情報を確認して応募してきます。そのため、自社のウェブサイトには外国人を募集している旨をはっきりと掲載することが重要です。また、通常の求人情報に加え、「入社後の業務内容」「キャリアパス」「ロールモデル(既に社内で外国人が活躍している場合)」を記載しておくと自社の採用ページからのエントリーに繋がりやすくなります。

⑥知人からの紹介

外国人の多くは各出身国のコミュニティに所属している人が多く、横のつながりを広く持っています。就職の情報に関しても独自のネットワーク(口コミやSNS)を通して広がることが多いため、既に入社されている外国人から自国のコミュニティに求人情報を拡散してもらうのも外国人雇用企業としての認知度を高める上で有効です。

(2)有料での求人

①民間人材紹介会社への求人登録

外国人を対象としている民間人材紹介会社は近年増加してきており、多くの外国人も人材会社に登録し、就職活動を行っています。内定が決まった後の成功報酬型が一般的です。

②民間人材紹介会社が開催する企業説明会への参加

民間の人材紹介会社や就職支援会社が、外国人の採用に特化した企業説明会や面接会を開催しています。一般的に、出展するにあたり費用が発生します。

③外国人コミュニティとの連携

もし自社に外国人がいなかったり、情報を拡散してもらえる外国人が身近にいない場合でも、外国人のコミュニティにアプローチすることは可能です。年間のスポンサーになったり、イベントに協賛することで各コミュニティが持つネットワーク上に求人情報を掲載したり、彼らが独自で行っている企業交流会(説明会)に参加することができます。コミュニティはほとんどの場合が国籍で分かれているので、自社の求人に合う国籍のコミュニティにアプローチすると効果的です。

(3)インターンシップを通じた採用

求人の掲載以外に、インターンシップを通して採用に結び付く場合もあります。
公的機関が実施しているインターンシップの活用や、教育機関のインターンシップ窓口にお問合せください。

神戸市インターンシップ窓口:
https://www.city.kobe.lg.jp/life/livelihood/kobejobport/gakusei/internship.html
*一般社団法人 大学コンソーシアムひょうご神戸

4.採用の手続き

外国人の採用が決まった後、まず在留資格を取得する必要があります。国内の外国人を採用する場合と、海外から採用では手続きが異なるのでご注意ください。
採用したが在留資格が取れずに、会社も学生も困ることが散見されえますので、可能であれば採用段階でのご相談をお勧めします。ご不明な場合は、専門家(外国人の在留資格に精通した行政書士等)にご相談することを強く勧めます。

(1)内定後の流れ

①雇用契約書又は労働条件通知書の作成・説明

雇用契約書や労働条件通知書は日本人の従業員向けに作成しているものと大きく変える必要はありませんが、国籍によっては雇用契約書を自分の権利・義務に感じる国民性を持つ人もおり、トラブルになった際や人事評価の際に職務内容に何が書かれているかが重要になってきます。そのため、雇用契約書や労働条件の内容の説明は日本人に対して行う以上に時間をかけて丁寧に行う必要があります。また、日本の「暗黙のルール」は外国人には通用しないため、会社の規則(転勤、異動、労働時間、残業、休暇、賃金など)についても明文化し、可能なら母国語に翻訳して丁寧に説明することが大切です。

厚生労働省「外国人労働者向けモデル労働条件通知書(英語)」
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/040325-4.html

②在留資格の取得手続き

原則、採用予定者本人が居住地の地方出入国在留管理官署に出頭し申請するものですが、外国人の多くは日本の在留資格制度を理解していません。 企業側は、事前に専門家(入管業務を専門にしている弁護士、行政書士等。以下行政書士等)へ相談した上で、適切な手続きのフォローを強くお勧めいたします。
記載不備や理解不足により不許可となる事例が見受けられます。

*専門家相談についてのお問合せ
神戸市海外ビジネスセンター 専門家による相談制度(無料)
https://www.kobe-obc.lg.jp/service/advisor/

*在留資格制度のお問合せ
外国人在留総合インフォメーションセンター 0570-013904(平日8:30~17:15)
大阪出入国在留管理局神戸支局内 (神戸市中央区海岸通29)

国内留学生の場合

留学生は就職先が決まった後、入社までの間に在留資格を「留学」から就労可能な「技術・人文知識・国際業務」等に変更する必要があります。(「在留資格変更許可申請」)

在留資格の変更が許可される要件

在留資格変更が許可されるにはいくつか条件があるので、申請前に事前にご確認ください。

本人の学歴 従事しようとしている業務に必要な技術・知識に関連する学科を専攻しているか。大学学部卒同等(専修学校の場合は「専門士」)を取得しているか。
業務内容 ①大学を卒業し、学位を有している者→採用対象本人の従事する業務と専攻が一致していることまでは必要ではなく、関連していればよいとされています。
②日本の専修学校を卒業し、専門士を有している者→採用対象本人の従事する業務と専攻が一致する必要があります。
受入企業の状態 経営基盤の安定性、継続性はあるか。
給与の条件 日本人と同等額以上の報酬を受けられるか。

上記条件が全てクリアになっていれば、申請を進めることができます。
申請書類の中には受入企業の方で用意する書類が多数あります。
*手続きの詳細は法務省のホームページをご確認ください。
http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-2.html

スケジュール

4月入社の場合、変更申請の手続きは卒業年度の12月頃から開始する場合が多いです。
4月入社に向けて地方出入国在留管理官署も非常に混雑しますので、必要な手続きについては計画的に進めましょう。
・「変更申請」は卒業年度の12月頃から開始
→大学や専門学校の卒業見込み書を添付
・結果はハガキで本人宛に通知されます。
・正式許可は卒業後になります。

海外から呼び寄せる場合

海外から採用する場合、「在留資格認定証明書交付申請」を行い、日本で地方出入国在留管理官署から在留資格を発行してもらう他、海外現地の日本大使館に査証(ビザ)を発行してもらう手続きが発生します。在留資格変更申請と異なり、申請者本人が海外にいる場合、受け入れる企業が手続きを代理で行います。尚、それ以外の要件(学歴・業務内容・受入企業の状態)などは在留資格変更手続きと同じです。

申請から入国までの流れ

【日本国内】

1.代理人(企業)が「在留資格認定証明書」の交付を申請
2.地方出入国在留管理官署より、「在留資格認定証明書」の発行
3.代理人(企業)が採用予定者のいる海外へ「在留資格認定証明書」を郵送(EMSを強く推奨)

【海外】

4.採用予定者本人が現地の日本大使館あるいは領事館で「在留資格認定証明書」を提示し、査証(ビザ)を申請
5.査証(ビザ)を発給

【日本国内】

6.採用予定者が日本に入国する際に発給された査証(ビザ)と「在留資格認定証明書」を空港にて提示。この際に在留カードが発行されます。なお、在留カードが発行される空港は、新千歳空港,成田空港,羽田空港,中部空港,関西空港,広島空港及び福岡空港に限られます。

※海外から採用する場合は、申請から入国までに少なくとも1~3か月(半年以上のケースもあり)の期間を要するため、申請に際しては十分に余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

*手続きの詳細は法務省ホームページをご確認ください。
「在留資格認定証明書交付申請」
http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-1.html

すでに在留資格を持っている外国人が転職してくる場合

採用する前に、外国人の在留資格と在留期間を必ず「在留カード」で確認しましょう。
その上で、手続きを必ず在留期限までに行ってください。

・在留資格の確認
◆転職前の活動と在留資格に基づく活動が変わらない場合→「在留期間更新許可申請」
◆転職前の活動と在留資格に基づく活動から変わる場合→「在留資格変更許可申請」

転職前の活動内容と同様で雇用できるかを確認するためには「就労資格証明書」で確認ができます。

*手続きの詳細は法務省のページをご確認ください。
「在留期間更新許可申請」
http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-3.html
「在留資格変更許可申請」
http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-2.html
「就労資格証明書交付申請」
http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-9.html

③雇用保険被保険者資格取得届

在留資格が取得でき外国人の雇用が決まった際、事業主は「外国人雇用状況の届け出」をハローワークに提出することが義務付けられています。
また、雇用保険の被保険者となる外国人の場合、「雇用保険被保険者資格取得届」を雇入れた翌月10日までにハローワークに提出する必要があります。

※「雇用保険被保険者資格取得届」の備考欄に必要な情報を埋めて提出することで、外国人雇用状況の届け出を行ったことになります。

*詳細はこちらからご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/gaikokujin/dl/250318.pdf
(外国人の「雇用保険日保険者資格届出書」厚生労働省)

④各種社会保険

外国人も例外なく、日本で働く際には社会保険の加入が義務となります。
また、外国人雇用の社会保険手続きは日本人と原則的に同じですが、特有の手続きもあります。

◆健康保険・厚生年金保険:
雇用して5日以内に「健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届」を日本年金機構及び健康保険組合へ提出します。併せて「厚生年金保険被保険者ローマ字氏名届」も提出します。
※基礎年金番号を持っていない外国人の場合、マイナンバーのみ記載します。

*詳細は日本年金機構ホームページをご確認ください。
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/kenpo-todoke/hihokensha/20140718.html

なお、外国人の方の場合、国によっては社会保障協定を締結しているところもあるため、下記サイトも合わせてご確認ください。
https://www.nenkin.go.jp/service/kaigaikyoju/shaho-kyotei/kyotei-gaiyou/20141125.html

5.採用後の定着に向けた取り組み

外国人を採用している企業は、入社後も定着に向けて何かしらのケアや取組を行っている企業が多い傾向にあります。育成や定着に向けた取り組みをおろそかにせず、社内の体制を整えていくことが重要となります。
企業が行っている外国人の定着を図るための施策として、大きく「受入体制の整備」「異文化理解」「キャリアパス」の3つのポイントがあります。

①受入体制の整備

特に海外から採用した場合など日本での生活に馴染みのない外国人からすると、仕事よりも日本での生活や馴染みのない制度に関して不安で頭がいっぱいです。そうした不安を解消してスムーズに仕事に専念してもらえるように、受入体制を整えましょう。

施策 内容
住宅の確保 外国人の場合、保証人の問題や、外国人向け物件の少なさから住居探しは大変頭が痛い問題になります。企業が契約主や保証人となったり、社宅や寮を用意するなどのサポートが必要です。
住民登録、銀行口座やライフラインの開設、携帯電話の手続きなど 住民登録、銀行口座や携帯電話、水道・電気・ガスなど申し込むには必要な書類や情報が多く、外国人からすると非常に複雑で難しい作業になります。また、印鑑の作成も必要となります。こういった今後の生活に欠かせない準備においては、できるだけ専任の相談・指導役を決めて全ての作業が完了するまでのサポートが必要です。
生活関連の支援 ゴミ出し等の生活マナー、公共交通機関の乗り方や日本の食事、病院の利用方法など生活情報について、丁寧に説明することで外国人もトラブルなく日本の生活を楽しむことができます。
社会保険の説明 日本と海外では税金や公的医療保険、年金の仕組みが異なります。入社の際に、社会保険の制度や仕組みを説明すると同時に、彼らがどのような支援やサービスを享受できるかについて説明することが必要です。
雇用内容・就業規則の説明 会社内のルールや雇用の条件についての誤認や認識不足は後々の社内トラブルに繋がるため、入社前あるいは入社後すぐに時間をとってきちんと理解するまで説明することが重要です。外国人の日本語能力に応じて、就業規則等は事前に英語や母国語に翻訳しておくとより理解が深まります。
孤立化を防ぐ取り組み 外国人はどうしても社内で孤立しがちです。そのため、上司とは別に専任の相談係をつけたり、社内イベントに参加してもらうなどの配慮が必要になります。また、外部の外国人コミュニティを案内するなど、社内だけではなく社外での様子も気にかけるようにしましょう。
*外国人向けコミュニティの紹介
KICC: https://www.kicc.jp/ja/aboutkicc
HIA :https://www.hyogo-ip.or.jp/
② 社内の異文化理解

外国人を受け入れる際に気を付けることは、日本企業の文化や風習に合わせてくれると考えて接してしまうことです。日本企業で働く上で文化や商習慣を学ぶのはもちろんのことですが、受け入れる日本人も相手の文化や価値を理解・尊重することが、外国人との協業を最適化するポイントとなります。

施策 内容
社内の異文化理解の促進 「仕事よりも家族との時間を大事にする」など、外国人はそれぞれ育った国特有の習慣があるため、日本人と同じ行動は期待できません。そのため、あらかじめ受入側の理解を得ておくことが重要です。また、相手の国の宗教・文化・歴史などを知ることでなぜその行動に出るのかということが理解でき、お互いにとって働きやすい環境をつくることができます。
外国人に対する日本の商習慣・文化等の理解促進 文化風習の違いを理解しないまま業務についてしまうと、周囲の日本人の行動に戸惑ったり、なぜ注意されているのか分からないといった状況に陥り、外国人の不安や不満に繋がります。「報・連・相」や「時間」に対する概念の違い、接客、電話応対など日本のビジネスマナーは研修や専任の相談係を通して指導し、時間をかけて伝えていくことが重要になります。
日本語学習の支援 異文化コミュニケーションを取る上では、お互いがズレなく正しくコミュニケーションをとることが最も重要になります。そのため、最低限お互いがストレスを感じないレベルの日本語を習得するサポートが必要となります。社内で日本語勉強会を実施することも有効な方法です。
日本語学習支援
KICC: https://www.kicc.jp/ja/aboutkicc
③キャリアパス

日本企業で働く外国人の不満の中で最も多くを占めているのがキャリアに関する不満です。外国人は自らの能力を活かして活躍する機会を得て、早い段階で能力や成果に応じた評価を受けることを望む傾向が強くあり、日本企業の従来の人事制度では彼らの期待に応えられないというギャップが多く見られます。
この対応として、すぐに制度の改革を始めるのではなく、入社前後の段階で昇格や昇給についての説明を実施、現状の体制を微調整することで大きく改善することができます。

●入社時に必要な説明
・配属・・配属の理由と、その配属先で本人に何を期待しているか、役割は何か
・組織目標・・組織としての目標
・育成方針・・企業で用意している育成計画、何年でどこまでのスキルが習得できるかなど
・評価・・評価の基準、評価方法
・異動・・異動の理由、根拠
・昇進・・昇進や昇格の仕組み、具体的な例を用いた説明

●評価・フィードバック
評価の結果は間接的な言い回しではなく、良い点や改善すべき点などを明確に伝えることが必要です。また、外国人のモチベーションを確認するためにも日頃から定期的な面談やフィードバックを行い、その時々で不満はないかを把握していくことが定着率を高めていくことになります。

6.事例紹介

ケース①国内にいる外国人留学生

~六甲大学工学部に通う留学生A君が、あじさい工業㈱に入社する場合~
  • 【採用活動】

    ・自治体が開催する外国人向け合同企業説明会に参加、選考を実施

  • ・在留資格の要件(A君の学歴と企業の職務内容はマッチしているか等)の確認

    在留資格取得の可能性が低い学生に内定を出すと、後々トラブルのもとになります。

  • ・会社での選考を経て、A君の内定決定

  • 【在留資格変更】

    在留資格の手続きについては、事前に専門家(行政書士等)への相談を強くお勧めいたします。
    また、申請書類の作成は本人に任せるのではなく、必ず企業側が中心となって作成することが必要です。


    あじさい工業㈱は、
    ・「留学」から「技術・人文知識・国際業務」に在留資格の変更手続きを行政書士等に依頼
    ・「採用通知書」「商業法人登記簿謄本、決算報告書(貸借対照表、損益計算書のみ)の写し」「会社パンフレット」「雇用理由書」などを用意。

  • 行政書士等が地方出入国在留管理官署に書類を提出・申請

    A君自身が申請に行くことも可能ですが、行政書士と良く相談してください。

  • 2ヶ月後、A君が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を無事に取得

  • 【社内での受け入れ準備】

    ・人事担当者、受け入れ部門などに対して社内の異文化理解研修の実施
    ・メンター(相談役)の配置

    メンター制度とは、「新入社員や後輩に対し、職務上の相談だけでなく、人間関係など個人的な問題まで相談に乗り、助言を与える専任者をもうける制度のことです。

    ・A君が住める住宅の手配

  • 【A君入社後】

    (届け出関係)

    ・居住地の自治体に住民登録
    ・管轄のハローワークへ外国人雇用状況の届け出の実施
    ・健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届の提出

  • (社内対応)

    ・日本人の新入社員とは別途、雇用契約書や就業規則(一時帰国の手続きなど、外国籍人材に特別に適応されるものなど)、配属先での役割やキャリア(評価制度)についての説明
    ・日本の社会保険制度の説明
    ・日本のビジネスマナー研修の提供など

  • ・日本語研修の実施
    ・定期的な面談の実施
    ・定期的なイベント、外部コミュニティを活用した交流会の実施

ケース②海外にいる外国人学生

~ベトナム大学経済学部に通う留学生B君があじさい化学㈱に入社する場合~
  • 【採用活動】

    ・海外で開催されている合同企業説明会に参加、1次選考を実施
    ・在留資格の要件(B君の学歴と企業の職務内容はマッチしているか等)の確認

    在留資格取得の可能性が低い学生に内定を出すと、後々トラブルのもとになります。

    ・日本帰国後、スカイプ等で2次面接を実施
    ・日本にB君を招聘し、最終面接を実施(航空費、滞在費はあじさい化学㈱負担)
    ・B君の内定決定

  • ・在留資格の要件(B君の学歴と企業の職務内容はマッチしているか等)の再度確認
    ・雇用契約書/労働条件通知書の提示(母国語翻訳があるとスムーズ)

  • 【在留資格取得】

    ・あじさい化学㈱が代理人として「在留資格認定証明書」の交付を地方出入国在留管理官署へ申請
    ・地方出入国在留管理官署より「在留資格認定証明書」が発行されたのち、原本をベトナムにいるB君にEMSにて郵送
    ・B君がベトナムにある日本大使館で「在留資格認定証明書」を提示し、ビザを取得

    国(例:中国)によっては、日本国領事館が指定した代理申請機関を通してしか手続きできない場合があります。事前にお近くの日本国領事館にお問い合わせください。

    日本側の手続は、行政書士等と相談することを強くお勧めします。

  • 【社内での受け入れ準備】

    ・人事担当者、受け入れ部門などに対して社内の異文化理解研修の実施
    ・メンター(相談役)の配置

    メンター制度とは、「新入社員や後輩に対し、職務上の相談だけでなく、人間関係など個人的な問題まで相談に乗り、助言を与える専任者をもうける制度のことです。

    ・B君が住める住宅の手配
    ・海外引越の手配

  • 【B君の入国~入社まで】

    ・B君が空港で在留カードを取得
    ・あじさい化学㈱のメンターが空港まで出迎えサポートする。
    ・入社までの間にB君が日本での生活に必要な手続きを遂行(銀行や携帯電話の開設、市役所の手続きなど)、あじさい化学㈱のメンターもB君に同行してサポートする。

  • 【B君の入社後】

    (届け出関係)

    ・居住地の自治体に住民登録
    ・管轄のハローワークへ外国人雇用状況の届け出の実施
    ・健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届の提出


    (社内対応)

    ・雇用契約書や就業規則(一時帰国の手続きなど、外国人に特別に適応されるものなど)、配属先での役割やキャリア(評価制度)についての説明
    ・日本の社会保険制度の説明
    ・日本のビジネスマナー研修の提供
    ・日本の商習慣や文化について(異文化)の研修の実施

  • 【B君の入社後定期的な対応】

    ・日本語研修の実施
    ・定期的な面談の実施
    ・定期的なイベント、外部コミュニティを活用した交流会の実施

copyright©2020 神戸市海外ビジネスセンターAll rights reserved.
ページトップへ